長野県天龍村で地域防災チームと連携した小中学生向け防災ワークショップ×ドローン実証運航を実施

株式会社エアロネクストのプレスリリース

~防災庁の発足を控え、孤立集落への物資輸送を想定した「ドローンの防災ルート」を全国の中山間地域へ~

 株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 グループ CEO:田路 圭輔、以下 エアロネクスト)と、株式会社 NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下 NEXT DELIVERY)は、長野県天龍村(村長:永嶺 誠一、以下 天龍村)から受託した「災害時を主目的としたドローン航路整備事業」の一環として、2026 年 10 月22 日(木)に、天龍村立天龍小学校において、天龍村および同村の地域防災チームとともに、小・中学校の授業と連携して、防災をテーマにしたワークショップとドローンによる物資輸送の実証運航を実施し、報道関係者に公開しました。

物流専用ドローンAirTruckの荷物切り離しを見届ける天龍小・中学校の児童(天龍村立天龍小・中学校)
児童に災害時の物資輸送とドローンの役割について説明するNEXT DELIVERYスタッフ

 本事業は、全国でも有数の孤立可能性集落数が多い長野県の南端に位置し、急峻な山あいに集落が点在する天龍村が長野県の令和8年度「地域発元気づくり支援金」を活用実施しにおいて、大雨や土砂災害などで道路が寸断された場合に備え、災害時の物資輸送に活用できるドローン航路を整備するものです。旧天龍中学校やキャンプ場など村内計 7 箇所を離着陸の候補地とし、6 ルート程度の航路策定を目指しています。今回はそのうち 1 ルートを報道関係者に公開し、レベル 3.5*1の自動遠隔運航により、旧天龍中学校グラウンドから天龍村立小・中学校グラウンドまでの片道約 1.1km を約 3 分で飛行し、防災備蓄品を想定した物資を予定どおり輸送しました。

 2026 年 11 月 2 日には、国の防災の司令塔となる防災庁*2が発足します。本実証は、自治体・民間事業者・学校が連携し、災害が起きる前から空の輸送ルートを備え、地域の担い手と児童がともに防災を学ぶ、事前防災の先進的な取り組みです。エアロネクストと NEXT DELIVERY は、天龍村での知見をもとに、同様の課題を抱える全国の中山間地域へ「ドローンの防災ルート」を広げてまいります。

地域防災チームによる防災ワークショップを実施
ドローンで配送された荷物の中身を伺う児童たち

1.背景と目的

 天龍村は長野県の最南端に位置し、総面積 109.44 平方キロメートルの大半を山林が占める山あいの村です。人口は 969 人(2026 年 9 月 30 日現在)で、65 歳以上の割合は 62.1%(2020 年国勢調査)と、長野県内でも特に高齢化が進んだ地域です。また、長野県は全国でも有数の孤立可能性集落の多い都道府県でもあります。

 急峻な地形に集落が点在する同村では、大雨や土砂災害などにより道路が寸断された場合、集落が孤立し、物資の輸送が困難になることが懸念されています。こうした地域では、平時から災害時まで地域の暮らしを支える新たな物流手段の確保が求められています。

 また、政府は防災庁設置法の施行期日を 2026 年 11 月 2 日と定め、災害対応の司令塔となる防災庁の発足に向けた準備を進めています。災害が起きてから対応するのではなく、平時から備える「事前防災」の重要性は、全国の自治体で一層高まっています。

 エアロネクストと NEXT DELIVERY は、これまでも天龍村でドローン物流の実証に取り組んできました。2023 年 2 月 27 日には、天龍村、ココネット株式会社、セイノーホールディングス株式会社とともに、新スマート物流の構築に向けた「ドローンによる日用品、支援物資搬送の実証実験」を実施しています。この実証では、中山間地域で災害が発生した場合を想定し、天龍中学校に荷物の集積拠点を仮設して、避難所に指定されている天龍小学校のグラウンドと天龍村保育所へ救援物資を想定したカイロや食料品などを配送しました。今回の事業は、この実証で得た知見を踏まえ、災害時に活用できるドローン航路の整備へと取り組みを一歩進めるものです。

 そこで今回、天龍村から受託した「災害時を主目的としたドローン航路整備事業」の一環として、天龍村の地域防災チームとエアロネクスト、NEXT DELIVERY が連携し、災害時の物資輸送を想定したドローンの実証運航を行うとともに、小学校の授業と連携した防災ワークショップを実施しました。授業の時間を活用して地域の防災とドローン物流を学ぶ機会をつくることで、次世代を担う児童が地域の防災を「自分ごと」として考えるきっかけとすることを目指しました。

2. 実証概要

事業名

「災害時を主目的としたドローン航路整備事業」(天龍村からの受託事業)

目的と内容

災害時の物資輸送を目的としたドローン飛行航路の策定に向けた実証運航(今回はうち 1 ルートを報道公開)

小学校の授業と連携した防災ワークショップの実施

目標

旧天龍中学校やキャンプ場など計 7 箇所の離着陸候補地を結ぶ、6 ルート程度のドローン飛行航路を策定する。

実施日

実証運航・ワークショップ:2026 年 10 月 22 日(木)

飛行ルート数と飛行回数

報道公開:1 ルート

離着陸地点:天龍村立天龍小・中学校グラウンド~旧天龍中学校グラウンド

使用機体

物流専用ドローン AirTruck

運航方法と体制

現地での機体管理と補助者業務、遠隔運航管理(山梨県小菅村)は NEXT DELIVERY が実施。レベル 3.5 による自動遠隔運航を行った。

配送物

防災備蓄品(飲料水)

各社の役割

天龍村:実証全体の企画、学校・地域防災チームとの調整

エアロネクスト:ワークショップにおける機体展示・説明

NEXT DELIVERY:ドローンルートの検証および作成・ドローンの運航

3. 当日の様子と検証項目

 当日は、天龍小・中学校の児童計45名と教職員、天龍村の地域防災チームが参加しました。ワークショップでは、山あいの村で災害が起きたときに何が困るのか、物資をどのように届けるのかを児童が考え、ドローンが災害時の物資輸送で果たす役割について学びました。続く実証運航では、児童がドローンの機体を間近で見学したあと、離陸から着陸、荷物の受け取りまでの一連の流れを確認しました。

 本実証では、以下の項目について検証を行いました。結果は今後取りまとめ、天龍村における活用の検討に役立ててまいります。

◆災害時の物資輸送手段としての有効性

道路が寸断された場合を想定し、山あいの地形においてドローンで物資を確実に届けられるかを検証しました。

◆航路の安全性と飛行性能

山あいの地形や電波状況、樹木の状況を踏まえ、災害時にも安全かつ安定して飛行できる航路であるかを検証しました。

◆地域防災チームとの連携

災害時に実際に物資を受け取る地域の担い手と、荷物の受け渡しの手順や役割分担を確認しました。

◆防災教育としての効果

授業の中で空からの物資輸送を体験することが、児童の防災への関心や理解を高めるきっかけになるかを確認しました。

4.今後の展望

 今後は、残るルートでの実証運航を進め、11 月中に航路の策定に向けた実証を完了する予定です。

整備した航路は、天龍村における平時・災害時の物資輸送の手段としての活用を検討してまいります。また、自治体・民間事業者・学校が連携して防災を学ぶ本取り組みを、同様の課題を抱える全国の中山間地域に展開できるモデルとして発信し、各地で災害時にも使える「ドローンの防災ルート」の整備を進めてまいります。

 エアロネクストと NEXT DELIVERY は、防災庁の発足により事前防災の取り組みが全国で加速するなか、平時と災害時の双方で地域の暮らしを支える物流インフラの社会実装を通じて、地域の防災力の向上と持続可能な暮らしの実現に貢献してまいります。

以上

資料

*1 レベル 3.5

2023 年 12 月に規制緩和の方針のもと国交省により新設されたもので、無人地帯(離島や山間部等)の目視外飛行(レベル3)において、デジタル技術の活用(機上のカメラによる歩行者等の有無の確認)や無人航空機の操縦ライセンスの保有および保険の加入などの条件を満たす場合に補助者や看板の配置といった立入管理措置緩和が可能となる飛行レベル。ドローンの運用コスト削減と業務の効率化につながり、ドローン配送の事業化に向けた大きな動きである。

*2 防災庁

防災庁設置法(令和 8 年法律第 61 号)に基づき設置される国の行政機関。内閣府の防災担当を発展的に改組し、平時からの事前防災の推進、大規模災害時の司令塔としての総合調整、被災者支援、復旧・復興までを一貫して担う。同法の施行期日は2026 年 11 月 2 日。

【株式会社エアロネクストとは】

エアロネクストは、「人生100年時代の新しい社会インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る世界へ。」をミッションに掲げ、低空域を活用した新たな社会インフラの構築を推進しています。独自の重心制御技術4D GRAVITY®を核とした技術ライセンス事業や共同開発事業に加え、戦略子会社である株式会社NEXT DELIVERYを通じて、地域物流を集約・効率化する新スマート物流「SkyHub®」事業およびドローン運航事業を展開しています。SkyHub®は国内複数地域で社会実装が進み、平時の物流から災害時の緊急輸送まで対応する、持続可能な地域物流インフラとして展開を広げています。

さらに、この物流分野で培った同時遠隔自動操縦オペレーション技術を基盤に、「フィジカルAI」の社会実装を推進しています。AIモジュールを物流、農業、設備点検、防災・警備など幅広い産業分野へ展開し、多様なドローンやロボティクスを統合的に制御するプラットフォームの構築を進めています。

*会社概要は https://aeronext.co.jp/about/company/ をご覧下さい。

【株式会社 NEXT DELIVERY とは】

エアロネクストグループのミッション「人生100年時代の新しい社会インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る世界へ」に基づき、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの戦略子会社。エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新しい社会インフラとなる新スマート物流の仕組みSkyHub®の企画運営、全国展開を推進しており、共同配送とドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、販売、運用及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、全国各地で地域物流の効率化と地域社会の課題解決に取り組んでいます。

*会社概要は https://aeronext.co.jp/about/company/ をご覧下さい。

*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴ、NEXT DELIVERY、並びに「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。

*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

Follow
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。