社会医療法人財団董仙会のプレスリリース
―― 能登から世界初の “病院のインフラ” へ。スマートウォッチ300台を全病棟へ順次展開
看護師が病室を回り、血圧を測り、記録する――。
どの病院でも当たり前に続いてきたこの風景が、能登で変わります。
社会医療法人財団 董仙会(石川県七尾市、理事長:神野正博)が運営する恵寿総合病院は、医療のデジタルトランスフォーメーション(DX)に30年以上取り組んできた先駆的な病院として、HUAWEI製スマートウォッチ型ウェアラブル端末「HUAWEI WATCH D2」を用いた、世界初となる入院患者さんのバイタル自動管理の本格運用を、2026年10月19日(月)より開始いたします。これにあたり、同日14時より記者会見を開催いたしますので、お知らせいたします。
本取り組みは、入院患者さんが腕に着けたスマートウォッチで血圧や心拍数などのバイタルを測定し、そのまま電子カルテへ自動で記録するものです。会見では、しくみの全体像や今後の展望をご紹介するとともに、実際に運用中の病棟をご覧いただけます。
2025年6月、世界で初めて入院患者さんにスマートウォッチを着けていただく実証試験を始めてから1年4か月。単に「着けて測る」段階から、病棟にアクセスポイントを設置し、電子カルテへの連携・記録までを自動で行う“病院のインフラ”へ―――試行錯誤を重ねてたどり着いたのは、スマートウォッチ300台で全病棟を見守る体制です。
能登半島地震、豪雨災害、そして全国に先駆けて進む高齢化――多くの課題と向き合ってきた能登だからこそ、いち早く見つけられた答えがあります。これから日本各地が迎える未来に向けて、能登から発信する新しい病院のかたちを、ぜひ会見の場でご取材いただきますようお願い申し上げます。
―― 記者会見のご案内 (報道関係者向け)――
・ 日時: 2026年10月19日(月)14:00〜15:00
・ 会場: 恵寿総合病院 3病棟3階 ワークラウンジ(石川県七尾市)
・ オンライン: Zoomにて同時配信。オンラインからもご質問いただけます。
・ 内容: 神野正博理事長挨拶、本格運用のご紹介と今後の展開、コンセプト映像上映、質疑応答、病棟見学と撮影(会場参加の方のみ)
・ 同席企業: 本格運用に至るまで協働してきたパートナー企業の代表者も同席し、ご質問にお答えします。華為技術日本株式会社(ファーウェイ・ジャパン)/HUAWEI APAC(アジア太平洋地域)/株式会社ソフトウェア・サービス/株式会社YTTテクノロジー/株式会社SHINKO
・ お申込み: オンライン(Zoom)でのご参加は、事前のお申込みが必要です。下記URLからお申込みください。担当者よりZoomのURLをご案内いたします。当日のお申込みも受け付けておりますが、ご案内が遅れる場合がございますので、事前のお申込みをお勧めいたします。現地参加の方はお申込み不要です。
フォームURL: https://forms.cloud.microsoft/r/J1jmxMNAD4
▼当日、取材・撮影いただけること
会見中の撮影は自由です。記者会見終了後、会場にお越しの報道関係者の皆様を病棟にご案内し、実際の運用の様子をご覧いただきます。
・ スマートウォッチを装着している入院患者さん(ご本人の撮影許可をいただいております)
・ 運用中の病棟と、病棟に設置したアクセスポイント
・ 測定値が自動で入力されている電子カルテの画面(患者さんのお名前など、個人情報の映り込みにはご配慮ください)
※ Zoomでの配信は、記者会見・質疑応答の終了までとなります。病棟の様子もあわせてご取材を希望される方は、ぜひ会場へお越しください。
【会見でお伝えするポイント】
・ 世界初: 入院患者さん自身がスマートウォッチを着け、測定から電子カルテへの記録まで人の手を介さずに行うしくみの本格運用は、世界で初めてです。当院での実証開始後、シンガポールや中国でも同様の実証が始まっており、世界から注目を集めています。
・ 300台で全病棟へ:実証は1病棟でしたが、本格運用では病院全体へ。2027年1月中旬までに全病棟へ広げます。
・ バイタル記録を自動化: 血圧・心拍数・SpO₂(血中酸素飽和度)・皮膚温・睡眠の5項目を測定。このうち血圧・心拍数・SpO₂は、看護師が入力しなくても自動で電子カルテに反映されます。
・ 急変予測とも連動: 当院が運用してきた急変予測スコア(NEWS)の自動算出システムが、ウォッチからのデータで、より新しい患者さんの状態を反映できるようになります。
・ 退院後の健康づくりへ: 使うのは市販のスマートウォッチ。入院中に出会った健康管理を、退院後もご自身の手元で続けることができます。
■ 病棟の風景は、こう変わります
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これまで |
10月19日から |
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測る |
看護師が決まった時刻に、複数機器を抱えて病室を回り測定(一般病棟で1日2〜4回程度) |
腕のスマートウォッチ1台で、血圧・心拍数・SpO₂などを測定。心拍数とSpO₂は、装着中ずっと自動で測り続けます |
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書く |
測った値を看護師が電子カルテへ入力 |
病棟のアクセスポイント経由で、電子カルテへ自動で反映 |
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見守る |
測った瞬間だけの“点”の値 |
変化を“線”で、さらに複数の数値を重ねて“面”でとらえる |
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看護師の時間 |
測定と入力に追われる |
患者さんとの対話やケアに使える |
「測る・書く」から、「見守る・話す」へ。
機械にできることは機械に任せ、人にしかできないことに人の時間を使う。それが、このしくみの目指した姿です。



■「点」から「線」、そして「面」へ
これまでのバイタル測定は、看護師が決まった時間に測る“点”の記録でした。血圧計で測れるのは主に血圧で、血液中の酸素の量を示すSpO₂は、パルスオキシメーターという別の機器で測ります。
スマートウォッチなら、1台で血圧・心拍数・SpO₂を測ることができます。心拍数とSpO₂は着けている間ずっと測り続けるため、これまで定時の測定の合間で数値が見えなかった時間帯も、見守れるようになりました。
今後は、夜間の決まった時刻に血圧を自動で測定する運用も検討しています。夜は意外と長いもの。患者さんの眠りを妨げることなく、夜間のバイタルも把握できるようにしていきます。
・ 点でみる: 決まった時刻に測った、その瞬間のみの値
・ 線でみる: 繰り返し得られた値から見える、時間の流れに沿った変化
・ 面でみる: 血圧・心拍数・SpO₂(参考値として皮膚温も)を重ねて見ることで、ひとつの数値だけでは分からない「いま体の中で何が起きているのか」を考えやすくなります。その組み合わせから状態の変化や病態を予測し、より早く次の対応につなげられます。

■ 急変の兆しに、いち早く気づくために
当院ではこれまでも、電子カルテに記録されたバイタルサイン7項目をRPA(業務を自動化するソフトウェアロボット)で自動的に読み取り、患者さんの急変(容体の急な悪化)のリスクを数値で示す「NEWS(早期警告スコア)※」を算出するしくみを運用し、急変の兆しの早期発見に力を入れてきました。
※ NEWS:National Early Warning Scoreの略。
バイタルサインの値から合計点を求めるもので、点数が高いほど急変のリスクが高いことを示します。
スコアのもとになるバイタルは、これまでは看護師が測って入力した時点の値でした。スマートウォッチが血圧・心拍数・SpO₂を自動で電子カルテへ届けるようになることで、この急変予測のしくみも、より新しく、より密度の高いデータで動かせるようになります。
「自動で測る」「自動で記録する」「自動でリスクを知らせる」――医療DXに30年以上取り組んできた当院だからこそ、スマートウォッチが単体の道具ではなく、患者さんを守るしくみ全体の入り口として機能します。
■ なぜ「世界初」なのか
これまで医療現場でのウェアラブル端末は、主にスタッフの業務を助ける道具として使われてきました。入院患者さん自身が着け、測定から記録までを自動で続ける運用の例は、世界的にもありませんでした。
ITやAI、ロボットを活用する「スマートホスピタル」の分野では、欧米、中国、シンガポールが世界の先頭を走っています。一方、日本は一部の病院を除き、この分野で遅れをとっているとも言われています。
そうしたスマートホスピタル先進国でも、入院患者さんにスマートウォッチを着けてバイタルを管理する取り組みは、まだ実証段階です。ファーウェイによれば、当院の実証開始後、シンガポールと中国の病院でも同様の実証が始まりました。能登の病院から、世界に先駆けて、これからの医療のスタンダードとなるモデルを示したい。私たちはそう考えています。

■ 能登は、日本の“少し先”を歩いている
能登は高齢化が進む地域です。さらに2024年には能登半島地震と豪雨災害が相次ぎ、高齢化はいっそう加速しました。けれど見方を変えれば、能登は、これから日本の多くの地域が迎える姿を、ひと足先に経験している地域でもあります。だからこそ、ここで見つけた解決策は、きっと日本全体のヒントになる――そう信じて、この取り組みを進めてきました。
スマートフォンは持っていなくても、腕時計は毎日身に着けている。そんな高齢の患者さんは少なくありません。「腕時計なら、無理なく着けていただける。着けているだけで見守れたら」――それが出発点でした。
■ 1年4か月の実証期間: 改善を重ねて
・ 2025年6月|世界初の実証(PoC)を開始 1つの病棟で、少数の入院患者さんにスマートウォッチを着けていただく実証試験をスタート。当初は測定データをタブレット端末経由で手作業で紐づける必要があり、記録までに時間差もありました。
・ 実証期間中|課題を一つずつ解消 通信環境、電子カルテとの連携方法、運用の流れ――現場の看護師とパートナー企業の皆様とともに、さまざまな課題に向き合ってきました。
・ 2026年10月|本格運用へ 病棟にアクセスポイントを設置し、電子カルテへ自動で連携。紐づけの操作も簡単になり、患者さんの病室移動にも対応できるようになります。さらに新たに睡眠の検知・分析機能を導入。バイタルに問題がなく、よく眠っている患者さんへの夜間の訪室を必要なタイミングに絞れるようになり、入院中の過ごしやすさの向上にもつながります。
そして、これで完成ではありません。今後も、病院のさまざまな場面にスマートウォッチを活かしていきます。
■ 今後のスケジュール
・ 2026年10月19日:実証を行ってきた病棟で本格運用を開始(睡眠分析機能を新導入)
・ 2026年10月末〜:利用する病棟を順次拡大し、病棟間の移動にも対応
・ 2027年1月中旬:全病棟で運用開始
■ 病院で出会う、新しい健康習慣
「入院=つらい」だけではなく、入院をきっかけに新しい健康習慣に出会ってほしい。そんな想いも、この取り組みには込められています。
患者さんは、自分の血圧や心拍数を、手元でいつでも確かめられます。新しいテクノロジーにふれ、看護師と数字の変化を一緒に見ながら会話が生まれる――健康を身近に感じ、自分で管理するおもしろさと大切さに出会える入口になればと考えています。
使用するスマートウォッチは家電量販店などで市販されている製品のため、退院後もご自身で同様の健康管理を続けることができます。(※当院での販売は行っておりません)
厚生労働省は2026年7月、予防・健康づくりに関する施策をまとめた「U.E.N.O.Plan(攻めの予防医療―厚生労働省関係施策―)」を公表し、一人ひとりが健康を“自分ごと”として主体的に取り組むことの大切さを掲げています。入院中の体験が、退院後の予防へ、そして地域全体の健康づくりへとつながっていく。この取り組みは、そうした流れを病院の現場から後押しするものでもあると考えています。
■ なぜ「HUAWEI WATCH D2」なのか

血圧の値を表示できるスマートウォッチはほかにもありますが、その多くは参考値の表示です。HUAWEI製「HUAWEI WATCH D2」は、ベルトに内蔵した小型のカフ(空気で膨らむ袋)で実際に腕を加圧して血圧を測る方式で、日本の管理医療機器認証を取得しています。腕時計型の血圧計として国内で医療機器認証を受けているのは、現在わずか2機種しかありません(2026年10月時点、当院調べ)。また、1日6回の自動血圧測定でも約6日間バッテリーが持つため、病棟でも安定して使い続けることができます。このほかのさまざまな選定理由についても、記者会見でご説明いたします。
■ 神野正博理事長コメント
「能登は、震災からの復興と高齢化という大きな課題に同時に向き合っている地域です。だからこそ、限られた人手でより質の高い医療を届け続ける挑戦を、止めるわけにはいきません。実証で得た学びを一つひとつ形にし、ようやく病院のインフラと呼べるものに育てることができました。機械にできることは機械に任せ、医療スタッフが患者さんと向き合う時間を増やす。医療の未来を、ここ能登から示していきます。」
■ 協業企業
・ 華為技術日本株式会社(ファーウェイ・ジャパン):スマートウォッチ「HUAWEI WATCH D2」・アクセスポイントの提供、ソフトウェア開発
・ 株式会社ソフトウェア・サービス:電子カルテとの連携
・ 株式会社YTTテクノロジー:管理システムの開発
・ 株式会社SHINKO:「HUAWEI WATCH D2」の販売(卸)
10月19日(月)記者会見終了後、実際に運用中の病棟もご覧いただけます。
会場・オンラインいずれからのご参加も、心よりお待ちしております。
※オンラインでのご参加のみ、事前のお申込みが必要です。お申込み方法は冒頭の「記者会見のご案内」をご覧ください。
【本件に関するお問い合わせ先】
※報道関係者の方は「メディア関係者への追加情報」をご覧ください。
社会医療法人財団董仙会
本部 企画部企画課
TEL:0767-52-3211(代表)
E-mail:gp_kikaku@keiju.co.jp (企画部)
社会医療法人財団 董仙会(とうせんかい)
1934年創立。石川県能登の地で90年にわたり地域医療を支えてきました。関連する社会福祉法人 徳充会とともに「けいじゅヘルスケアシステム」として、北は穴水町、南は金沢市まで4つの病医院を含む約30の医療・介護・福祉施設を展開しています。職員数約1,650名。
ミッションは「先端医療から福祉まで『生きる』を応援します」。先端・急性期医療が守る「生命」、回復期医療・介護・福祉が支える「生活」、そしてその両方を包み込む「人生」——三つの「いきる -Life-」に寄り添い、包括的なケアを届けています。

▶所在地:
〒926-8605 石川県七尾市富岡町94番地(董仙会本部・恵寿総合病院)
▶ ホームページ
社会医療法人財団 董仙会 https://tosenkai.com/
恵寿総合病院 https://www.keiju.co.jp/
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