~ 日中のハウス内温度を晴天時で約5℃低減、均一な散布を実現 ~
株式会社NTT e-Drone Technologyのプレスリリース
~ 日中のハウス内温度を晴天時で約5℃低減、均一な散布を実現 ~

株式会社NTT e-Drone Technology(代表取締役社長:滝澤 正宏、以下「当社」)は、施設園芸における夏季の高温対策として、ドローンを用いた遮熱資材散布の実証実験を実施しました。
本実証では、ドローンによる遮熱資材の散布により、日中のハウス内温度を晴天時で約5℃低減できることを確認しました。ドローンを用いた散布はハウス屋根面への高所作業を伴わず、均一な散布が可能な手段として夏季の高温対策に貢献します。
1.背景と目的
近年、地球温暖化を背景に夏季の記録的な高温が頻発しており、施設園芸では日中のハウス内の温度上昇が作物の生育や品質に影響を及ぼすことが大きな課題となっています。こうした高温対策として、ハウス屋根面に遮熱資材を塗布する方法は、従来の熱対策に次ぐ新たな選択肢として注目されています。自然換気や遮光カーテン、遮熱ネットなど既存の高温対策と組み合わせて使えることも、遮熱資材の特長です。
一方、こうした遮熱資材の塗布作業には課題もありました。手散布による塗布には、ハウス屋根での高所作業を伴うこと、広い面積を均一に塗布するために多人数・長時間を要する重労働であること、作業者の習熟度により塗りムラが生じやすいことなどの課題がありました。こうした背景を踏まえ、ドローンを活用した遮熱資材散布がこれらの課題解決に資するかを検証するため、グループ会社である株式会社NTTアグリテクノロジー(以下「NTTアグリテクノロジー」)の農場にて、本実証を実施しました。
2.実証実験の概要
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実施場所 |
山梨県中央市 |
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施設面積 |
約1ha |
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使用機体 |
BB102 (消毒剤・消臭剤・石灰用散布・遮熱資材散布セットを使用) |
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散布実施日 |
2026年4月28日 |
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計測期間 |
2026年4月28日〜5月12日 |
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計測方法 |
環境ロガーによる簡易測定 |
3.実証結果
散布区と対照区のハウス内温度を比較した結果、日中(9〜16時)の温度低下効果として、晴天日(10日平均)で約33.8℃から約28.7℃へ約5.1℃、曇天日(4日平均)で約27.4℃から約23.5℃へ約3.9℃の低下を確認しました。
※ 上記の数値は当社が実施した測定にもとづく値であり、気象条件やハウスの構造・環境等により異なる場合があります。


資材使用量についても副次的な所見が得ることができ、本実証では遮熱資材をメーカー仕様の標準的な散布量より少なく散布しても前述の温度低下効果を確認しました。この結果をふまえるとメーカー仕様と同等の遮熱効果を得る場合でも標準的な散布量より約33%少ない量で達成できる見込みとなります。
使用量の最適化については今後さらに検証を進めてまいります。

農林水産省が2021年に策定した「みどりの食料システム戦略」で、2050年までに農林水産業のCO2ゼロエミッション化や化学農薬・化学肥料の使用量低減など、食料システム全体での環境負荷低減を目標として掲げています。必要最小限の資材で同等の効果を得るという今回の知見はこうした環境負荷の低減や資材使用量の最適化に貢献できると考えています。
4.散布方式の特長
本実証で使用した「BB102」に、2026年6月より提供している消毒剤・消臭剤・石灰用、遮熱資材散布セットを装着して散布を行いました。ドローンによる散布には、ドローンならではの課題があり、空中から薬剤を散布するため、微細な粒子は風の影響で空中を漂いやすく、対象面以外への付着(オーバースプレー)にとどまらず、条件によっては散布対象を越えて隣接するほ場や周辺環境、さらには第三者の資産にまで資材が飛散・付着するおそれがあるという点です。とくに微細な粒子に霧化して散布する方式(アトマイザー方式)では、こうした飛散が起こりやすいことが知られています。
こうした課題に対応するため、本実証では薬剤を圧力式吐出ノズルから対象面へ向けて直接届ける散布方式を採用しました。この方式は、霧化方式に比べて周囲への飛散を抑えやすく、ハウス屋根面のように対象を狙って塗布したい用途に適しています。
あわせて噴霧する液剤の粒子径の最適化にも取り組んでいます。粒子径が小さすぎると空中を漂って対象面以外への飛散を招き、大きすぎると付着性や被膜の均一性が損なわれます。資材の特性に応じて最適な粒子径・散布条件に適した開発をしております。こうした取り組みにより、ドローンならではの利点を活かしながら、周囲への飛散を抑えハウス屋根面への均一な塗布を実現しました。
5.今後の展開
当社は、本実証で得られた知見をもとに、ドローンを活用した遮熱資材散布を、施設園芸における夏季の高温対策の新たな選択肢として提案し、その普及を積極的に推進してまいります。
今後は農業資材メーカーとの連携を進めながら、作物・資材の特性に応じた最適な散布条件の確立に取り組み、現場で活用しやすいサービスとして、多くの生産者の皆さまへ普及を図ってまいります。
ドローンの導入に関する問い合わせやお見積もりなどご関心のある方は、お気軽に下記アドレス(agri@nttedt.co.jp)までお問い合わせください。
6.コメント
本実証を踏まえた株式会社サラダボウルご担当者様からのコメント
「夏季の高温による品質低下は、農業経営に直結する大きな課題です。また、これまでハウス屋根面への遮熱資材の塗布作業は、人手と時間を要する重労働でした。今回の実証では、ドローンを活用することで短時間かつ均一な散布が可能となり、ハウス内の気温低下についても数値的な効果を確認できました。作業負荷の軽減につながる新たな手法として、今後の普及・展開に期待しています。」
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
株式会社NTT e-Drone Technology
サービス推進部 普及部門
agri@nttedt.co.jp

