旭化成株式会社のプレスリリース
旭化成エレクトロニクス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:篠宮秀行、以下「当社」)は、当社が1983年に開始した「薄膜ホール素子の商用化」がInstitute of Electrical and Electronics Engineers(本部:米国ニュージャージー州、以下「IEEE」、アイ・トリプル・イー)*より、IEEEマイルストーンとして認定されましたことをお知らせします。

IEEEマイルストーンとは1983年にIEEEにより創設された制度で、電気・電子の広範な分野において達成された画期的なイノベーションの中で、開発から少なくとも25年以上経過し、社会や産業の発展に多大な貢献をした歴史的業績を認定するものです。
当社が1983年に商用化した薄膜高感度ホール素子は、薄膜インジウムアンチモン(InSb)を磁性体であるフェライト基板とフェライトチップで挟み込むことで磁束を収束させ感度を大幅に向上させるとともに、電極構造の工夫と金ワイヤーボンディングを採用することで、高感度・高信頼性・優れた温度安定性・量産性を実現しました。この度の認定では、これらの特徴により大規模生産が可能となり、磁気センサーを幅広い分野へ普及させることに大きく貢献した点が評価されました。

この薄膜高感度ホール素子は、主にブラシレスモーターに用いられ、ビデオカセットレコーダー、フロッピーディスクドライブ、CD-ROM、冷却ファンなど多くの電子機器に採用され、世界市場で広く普及しています。また、本技術をもとに開発されたホールセンサー製品群(ホール素子、ホールIC等)の累計出荷数は2026年現在、500億個を超えています。
1983年に登場した HW シリーズは、薄膜ホール素子を用いた磁気センサー量産化の第一歩となり、その後の技術発展と応用拡大の礎を築きました。薄膜ホール素子は基本構造を維持しながら性能を進化させ続け、それまで産業用途が中心であった磁気センサーを小型化し、大量生産を可能にすることで、家庭用電子機器への広範な応用を実現しました。現在では、世界中の電子機器に搭載される磁気センサーの標準技術の一つとして広く認知されています。
今回認定されたホール素子量産技術を基盤として、当社では精密位置検出や電流センサーといった新たなセンシング分野にも磁気センサーの応用を拡大させており、スマートフォンのカメラ性能の向上(手ブレ補正・AFユニットの性能向上)や、電気自動車の航続距離の延伸など、デジタル機器やモビリティの高性能化にも貢献しています。また、本量産技術はホール素子だけでなく、赤外線センサーやLEDなどの多様なデバイスにも応用されています。
当社執行役員 竹原 聡 コメント
「当社の薄膜高感度ホール素子は、1983年の商用化以来、長きにわたり数多くのお客さまの製品や事業を支える技術として活用されてきました。これまで当社の技術をご信頼のうえご使用いただいた全てのお客さま、また長年の生産に多大なるご支援をいただいてきたサプライヤーさまをはじめ、ステークホルダーの皆さまに心より感謝申し上げます。
今回の IEEEマイルストーン認定を新たな励みとして、当社はこれからもお客さまが安心して使い続けられるよう品質と信頼性の維持・向上に努めるとともに、変化する市場や社会のニーズに応え、より新たな価値を創出する技術開発に引き続き取り組んでまいります。」
*IEEE(アイ・トリプル・イー)とは、電気・電子工学、通信、コンピュータ、情報技術などの分野で技術革新を推進する世界最大級の専門家組織です。約190か国に50万人の会員を擁し、国際的な標準化活動、学術論文の発行、技術会議の開催等を通じて、科学技術の発展と社会への貢献を目指しています。

