【基本のキ】USB規格の種類と違いを徹底解説!Type-Cって何がすごいの?

パソコン、スマートフォン、タブレット、周辺機器… 私たちのデジタルライフに欠かせない「USB」。データのやり取りや充電など、様々な場面で活躍していますよね。
しかし、USBには「Type-A」「Type-C」といったコネクタの形の違いだけでなく、「USB 2.0」「USB 3.2」「USB4」といった規格(バージョン)の違いもあり、「どれがどう違うの?」「Type-Cなら全部速いの?」と混乱してしまうことはありませんか?
この記事では、そんな複雑に見えるUSBの世界をスッキリ理解するために、USBの「形状」と「規格(性能)」の基本的な違いから、それぞれの種類、そして特に注目されている「USB Type-C」のすごさまで、”基本のキ”から徹底解説します。
これを読めば、もうUSB選びや接続で迷うことはなくなるはずです!

USBを理解する大原則!「形状(コネクタ)」と「規格(性能)」は別物!

USBについて知る上で、まず絶対に押さえておきたい最も重要なポイントがあります。それは、USBの「見た目の形(コネクタ形状)」と「中身の性能(データ転送速度などの規格)」は、必ずしも一致しないということです。

例えば、

  • 同じ長方形の「USB Type-A」でも、性能が遅い「USB 2.0」の場合と、速い「USB 3.2」の場合があります。
  • 最新の「USB Type-C」の形をしていても、中身の性能は古い「USB 2.0」相当というケーブルやポートも存在します。

この「形と性能は別物」という点をしっかり頭に入れておくことが、USBの様々な種類を理解し、混乱を避けるための第一歩となります。

まずは見た目の違いから!USBコネクタ(プラグ/ポート)の主な形状

USBには、ケーブルの先端についている「挿す側(プラグ)」と、パソコンや機器側についている「挿される側(ポート)」があり、様々な形状(タイプ)が存在します。代表的なものを紹介します。

USB Type-A(タイプA)

最も一般的に見かける、平べったい長方形のコネクタです。主にパソコン本体側に多く搭載されており、マウス、キーボード、USBメモリなどを接続するのに使われます。挿す向きが決まっています。

USB Type-B(タイプB)

正方形に近い形のコネクタです。主にプリンターやスキャナー、一部の外付けHDDなどの周辺機器側に搭載されています。最近では見かける機会が減ってきています。

USB Type-C(タイプC)

比較的新しい規格で、小さく楕円形のコネクタです。最大の特徴は上下の区別がなく、どちら向きでも挿せる(リバーシブル)点です。最新のスマートフォン、ノートパソコン、タブレット、モニター、周辺機器など、様々なデバイスで急速に採用が広がっています。後述するように、高速なデータ転送、映像出力、大電力供給など、多くの機能に対応できるポテンシャルを持っています(※ただし、対応する機能は接続する機器やケーブルの「規格」によります)。

Micro USB(マイクロUSB / Micro-B)

台形の小さなコネクタです。一昔前のAndroidスマートフォンやタブレット、モバイルバッテリー、デジカメなどで広く使われていました。現在ではUSB Type-Cに置き換わりつつあります。

Mini USB(ミニUSB / Mini-B)

Micro USBより少しだけ大きい、こちらも台形のコネクタです。古いデジタルカメラやポータブルゲーム機などで見られましたが、現在ではほとんど使われていません。

中身が重要!USB規格(バージョン)による性能の違い(速度など)

USBの性能、特にデータ転送速度や供給できる電力に関わるのが「規格(バージョン)」です。新しい規格ほど高性能になりますが、名称が少し複雑なので注意が必要です。

USB 2.0 (Hi-Speed USB)

  • 最大転送速度(理論値): 480Mbps
  • 特徴: 少し前の標準的な規格。現在でもマウスやキーボードなど、高速なデータ転送を必要としない機器では十分使われています。安価なUSBメモリなどもこの規格の場合があります。

USB 3.x 系(名称変遷に注意!)

USB 2.0から大幅に高速化された規格群です。名称が何度か変更されており混乱しやすいですが、現在は「USB 3.2」として整理されています。Type-Aコネクタの場合、内部のプラスチック部分が青色になっていることが多いのが目印です。

  • USB 3.2 Gen 1 (最大5Gbps): 以前は「USB 3.0」や「USB 3.1 Gen 1」と呼ばれていました。「SuperSpeed USB」とも呼ばれます。外付けHDD/SSDやUSBメモリなど、比較的高速なデータ転送が必要な場合に広く使われています。
  • USB 3.2 Gen 2 (最大10Gbps): 以前は「USB 3.1」や「USB 3.1 Gen 2」と呼ばれていました。「SuperSpeed USB 10Gbps」とも呼ばれます。Gen 1の2倍の速度で、より高速な外付けSSDなどで採用されています。
  • USB 3.2 Gen 2×2 (最大20Gbps): USB Type-Cコネクタでのみ利用可能な規格です。対応する機器はまだ限られています。

USB4(ユーエスビーフォー)

  • 最大転送速度(理論値): 20Gbps (USB4 Gen 2×2) または 40Gbps (USB4 Gen 3×2)
  • 特徴: Intel社の高速伝送技術「Thunderbolt 3」をベースに開発された最新のUSB規格です。USB Type-Cコネクタ専用です。高速なデータ転送に加え、高解像度モニターの接続や、後述する様々な機能に対応します。

※速度に関する注意: 上記の速度はすべて理論上の最大値であり、実際の速度は接続する機器やケーブル、パソコンの性能などによって変わります。

ここがすごい!「USB Type-C」が持つ多機能なポテンシャル

最近急速に普及している「USB Type-C」。なぜこれほど注目されているのでしょうか? それは、単にコネクタの形が便利というだけでなく、様々な機能に対応できる高いポテンシャルを持っているからです(ただし、すべてのType-Cポート/ケーブルが対応しているわけではありません!)。

機能1:映像出力(オルタネートモード)

USB Type-Cは、「オルタネートモード(Alternate Mode)」という機能に対応している場合、USBのデータ信号だけでなく、DisplayPortやHDMIといった映像信号も同じケーブルで伝送できます。これにより、対応するノートパソコンからType-Cケーブル1本でモニターに映像を出力することが可能になります。

※機器のType-Cポートが「DisplayPort Alternate Mode (DP Alt Mode)」などに対応しているか確認が必要です。

機能2:大電力供給(USB Power Delivery / USB PD)

「USB Power Delivery(USB PD)」は、従来のUSBよりもはるかに大きな電力(最大100W、最新のEPR規格では最大240W)を供給できる規格です。これにより、以下のようなことが可能になります。

  • ノートパソコンをUSB Type-Cケーブルで充電する。
  • スマートフォンやタブレットを急速充電する。
  • モバイルバッテリーからノートパソコンへ給電する。

※USB PDを利用するには、接続する機器(PC、スマホ、充電器、モバイルバッテリーなど)とケーブルのすべてがUSB PDに対応している必要があります。必要なワット数(W)も確認しましょう。

機能3:Thunderbolt 3 / Thunderbolt 4 との互換性

「Thunderbolt 3」および「Thunderbolt 4」は、Intelが開発した最大40Gbpsの超高速データ転送や映像出力などが可能な規格で、USB Type-Cと同じコネクタ形状を採用しています。最新の「USB4」規格はこのThunderbolt 3の技術をベースにしています。

Thunderbolt 3/4対応のポート(稲妻マークが付いていることが多い)は、基本的にUSB4を含む下位のUSB規格や、DisplayPort Alternate Mode、USB PDにも対応する上位互換のような存在です。これにより、1つのポートで様々な高性能機器を接続できます。

意外と重要!USBケーブル選びの注意点

USBの性能を最大限に引き出すには、適切なケーブルを選ぶことも重要です。

  • 見た目が同じType-Cでも中身は違う!: Type-Cケーブルでも、「USB 2.0相当の低速なもの」「USB 3.2 Gen 2対応の高速なもの」「USB PDの100W充電に対応するもの」「映像出力に対応するもの」など、性能は様々です。
  • 必要な性能に対応したケーブルを選ぶ: 例えば、USB 3.2 Gen 2対応の外付けSSDを使うなら、ケーブルもGen 2対応のものを選ばないと速度が出ません。ノートPCを充電したいなら、必要なW数に対応したUSB PD対応ケーブルが必要です。
  • 製品の仕様をよく確認する: ケーブルのパッケージや製品説明で、「対応規格(USB 3.2 Gen 〇など)」「対応電力(〇〇W PD対応など)」「映像出力対応」などを必ず確認しましょう。
  • 認証マークも参考に: USB-IF(USB Implementers Forum)による認証ロゴが付いているケーブルは、規格への準拠が確認されており、信頼性の目安になります。
  • 安すぎるケーブルには注意: 仕様を満たしていなかったり、品質が悪かったりする可能性があるので注意が必要です。

まとめ:USBの「形状」と「規格」を理解して、接続の疑問を解消しよう!

複雑に見えるUSBの世界も、基本となる「形状(コネクタ)」と「規格(性能)」を区別して考えれば、ぐっと理解しやすくなります。
特にUSB Type-Cは、リバーシブルで使いやすく、高速データ転送、映像出力、大電力供給といった多機能なポテンシャルを秘めたコネクタです(ただし、その機能が使えるかは接続する機器やケーブルの規格次第です)。
これからパソコンや周辺機器、ケーブルなどを選ぶ際には、この記事で解説したポイントを参考に、必要な「形状」と「規格(性能)」をしっかり確認するようにしましょう。USBに関する疑問や不安が解消され、より快適なデジタルライフを送る一助となれば幸いです。

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